高校受験における偏差値の考え方とは?詳しくご紹介

高校受験において、受験する学校を決めるときに偏差値は重要な要素です。しかし偏差値の決まり方、また偏差値の考え方までは詳しく知らない方もいらっしゃるかもしれません。今回の記事では、偏差値とは何か、また偏差値の考え方などについて、ご説明します。

1. 偏差値とは何か?

まず、偏差値とは何か、そして偏差値の決まり方についてご説明します。

1-1. 偏差値について

学力や高校の難易度を客観的にはかる指標のひとつが、偏差値です。もともとは、1957年に東京都の中学の教員だった桑田昭三先生が、中学生の志望高校の合否判定を科学的に行うために考案したものです。

1960年代に広く知られるようになり、1970年代以降は日本全国で学校の難易度や、受験生の学力の判断材料として偏差値が使用されるようになりました。

一時期、偏差値は生徒や高校の優劣を決めることにつながると考えられ、偏差値を中心に受験を考えることはネガティブなイメージをもたれたことがありました。しかし客観的に判断する指標として、偏差値を超えるものはないため、50年以上にわたって受験界で使われ続けています。ちなみに日本で考案されたものなので、日本以外では使用されていません。

1-2. 偏差値の計算方法について

次の計算方法で、偏差値は決まっています。
(受験生の点数 – 平均点)÷ 標準偏差×10+50

式のなかにある標準偏差とは、その試験を受けた生徒の得点の散らばり程度を表すものです。したがって、標準偏差は試験ごとに異なります。

ちなみに標準偏差は、
(受験者の点数 – 平均点)の二乗の総和 ÷ 受験者数の平方根
によって計算できます。

標準偏差が小さいと、点数のばらつきが小さいので、多くの受験生が平均点あたりの点数を取ったことが予測できるのです。

たとえば平均点50点、標準偏差20の試験で100点を取った生徒の偏差値は、
(100ー50)÷20×10+50=75
で75です。

さらに平均点60点、標準偏差10の試験で40点だった生徒の偏差値は、
(40ー60)÷10×10+50=30
で30です。

偏差値をみることで、平均点からどのくらい離れた点数を取ったのか、つまり同じ試験を受けた受験生のなかでどのくらいできたのかがわかります。

2. 偏差値の考え方と大まかな学力の目安

次に偏差値の考え方、またおよその学力の目安についてご説明します。

2-1. 偏差値の考え方について

先ほどもご紹介したように、本来偏差値は生徒の学力を科学的、かつ客観的にはかる指標として考えられたものでした。これは別名、学力偏差値といわれるものです。学力偏差値は、平均点を偏差値の50として、50からどのくらい離れた数字であるかによって、生徒の学力をある程度知れます。

つまり50からプラス方向に離れるほど、その生徒は高い学力があると考えられ、マイナスの方向へ離れるほど、学力は低いと判断が可能です。

なお、個人の学力偏差値は、同じテストを受験した生徒全員のなかで相対的に決まります。生徒個人の学力が変わらなくても、学力が高い生徒ばかりが受ける試験での個人の偏差値は低くなり、逆に学力が低い生徒ばかりが受ける試験の偏差値は高くなります。

学力偏差値を用いることによって、生徒は受験生全体のなかでの順位がわかるようになりました。学力偏差値の上下で、自分の学習の到達度も判断できるのです。

また、偏差値には学校偏差値という考え方もあります。これは、どのくらいの偏差値であれば合格の可能性が高くなる高校なのかをはかる指標です。高校の難易度をはかる指標ともいえるでしょう。

大手の塾などが、高校や大学の難易度ランキングを作っています。このランキングでは、その高校や大学を受験した生徒の80%が合格する生徒の偏差値や、50%が合格する生徒の偏差値などを参考にして、学校の難易度(学校偏差値)を判断しています。

学校偏差値は、その数値を計算する塾や予備校などによって違いはありますが、難易度の順番には大きな変化は生じません。学校偏差値をみることで、受験生は自分の志望校の難易度を客観的に知ることが可能です。

2-2. 偏差値による生徒の学力の目安について

偏差値をみると、その生徒が受験生のなかで、どの程度の順位なのかがわかります。受験した生徒の得点は、平均点あたりの人数が一番多く、平均から離れるほどその点数を取る生徒の数は減っていきます。横軸を得点、縦軸を人数とすると、平均値をピークに左右対称な曲線ができるでしょう。

これは偏差値を横軸、人数を縦軸にしても同様です。つまり平均値である偏差値50の人数がもっとも多く、偏差値の数値が60、70と増えていく、あるいは45、35と減っていくほど、その偏差値を取った生徒の数は減少します。

ちなみに、偏差値が80の生徒は上位から0.13%となることがわかっています。これは10,000人の受験生のなかでは、上から13番目の成績です。また、偏差値30の生徒は上位から97.72%で、これは10,000人の受験生のなかでは上から9,772番目の成績です。

通常は、自分の学力偏差値と学校偏差値を比べ、およそ前後3から5くらいの範囲に収まる学校偏差値の高校を志望校に考えると、大きなずれがありません。

3. まとめ

偏差値とは何であるか、その決め方や考え方についてご紹介しました。個別教育LETS進学塾では、志望校合格に向け偏差値を上げたい、そんな受験生を応援しています。ぜひ同じ目標をもつ仲間たちと勉強に取り組み、みんなで志望校合格を勝ち取りましょう。

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